2003年 5月26日(月)

06:30 起床。 朝になっても橋の交通量は少なく、ぐっすり眠れた。 時おり雨粒がぽつぽつとテントを叩くが、まだ降り出してはいないようだ。 携帯で天気予報のチェック。 最近は向こう6時間の雨レーダーの予報画像を、アニメーションで表示してくれたりもする。 便利な世の中になったものだ。

いつものようにカップラーメンとコーヒーで朝食。 予報によると雨雲は南から北へ上がってきている。 間もなくこの辺りも本降りになるはずだ。 テントを畳み、荷造りを急ぐ。 ペグと雑巾を洗いに川へ行くと、比較的新しい焚き火の跡が何ヶ所もあった。 水はキレイそうだったが、田んぼの水も流入していたので、顔を洗うのはやめた。

08:20 まだ降り出しては来てないが、雨装備で出発。 R158を西進する。 勝原の辺りで、途中に大きな鳥居があった。 安全を祈願して潜り抜ける。

仏御前の滝を過ぎたあたりで、雨が強くなる。 気温も下がってきており、気温も下がってきて、長Tシャツに直接合羽を着ただけだと寒い。 合羽の下にブルゾンを着込む。 首に掛けたデジカメも、防水ウエストバッグに仕舞う。 ここから先は防滴一眼レフ、VECTIS S-1に頼る。

大谷橋。 交通量は意外に多いが、クルマが来ないと本当に”静かな湖畔”だ。

箱ケ瀬橋。 以下は説明書きより。
「昭和43年ダム完成と共に奥地資源搬出のためかけられたもので、当時いつか実現するであろう、本四架橋(瀬戸大橋)の試作橋として我が国橋梁工学の粋を集めてかけられたものです。 パラレルワイヤースピニング工法(平衡線ケーブル方式)で、完成後、数十日間各種測定を行い、そのデーターが今完成をして居る瀬戸大橋に使われて居ります。 全長266米で荷重の制限がありません。 この橋は九頭竜ダムのシンボルとして架橋以来多くの人々に親しまれて来て居ります。」

09:30 油坂峠のトンネル(越美通洞)を潜る。 雲と白鳥市街を見下ろす。 ここから市街地までは、正に転がり落ちていく感覚だ。 手前は中部縦貫自動車道(油坂峠道路)。

ループ橋を渡り、R156との重複区間(越前街道)に入る。 ここまで来たので、せっかくだし白川郷に行くことに。 09:50 道の駅白鳥でトイレ休憩。 売店で「手巻きこもどうふ(野菜入)」を2つと、朴葉味噌を買う。

10:20 ひるがの高原に上がった所に、分水嶺の碑があった。
石碑の一文を抜粋。
「西方にそびえる一、七○九メートルの大日嶽の山腹を縫ってくだる清流はこの蛭ヶ野峠において永久に袂を分かち片や南は長良川の源流となって濃尾の平野をうるおしながら太平洋へ 片や北は庄川と名づけられて御母衣ダム他数ヶ所で発電の用に供せられながら日本海へ注ぐ」

牧戸交差点でR158と別れ、R156は御母衣湖沿いを行く。 狭いトンネルが多く、大型車同士ではすれ違えないほど。 前のクルマにくっついて走る。 御母衣湖はあまり見どころがないのでつまらない。

御母衣ダムを下った所に、一軒の茅葺屋根の家があった。 国指定重要文化財 旧遠山家民族館だった。 とても立派なお屋敷である。

11:15 やっと着いた白川郷。 だが駐車場へ行ってみると何かが違う。 茅葺屋根ではあるが、建物はすべて売店など商業施設である。 昼飯にはまだ早かったので、五平餅を買って食べてみるが、一本食べただけで捨ててしまった。 SAで売ってる方が百倍ウマイ。 これは一体どういうことだろう?


庄川を渡る長い橋があった。 コンクリート製ではあるが、よくこの長さを支えられるものだ。 この先に集落があるのかな?

だが橋を渡った先には、似たような店屋が並んでいるだけで、写真で紹介されているような田舎の風景はなかった。
おそらく人々が実際に暮らしている集落は、別のところにあるのだろう。 大挙して”世界遺産”を見に来る観光客から集落を守るため、このようなテーマパークをこしらえてあるのかもしれない。
だが、それでも割り切れない気持ちが残る。 こんなつまらない物を見て、「また来よう」と思う人は居ないだろう。 ほとんどの観光客は一度しか来ないからそれでもいいのかもしれないが、正直言って「世界遺産を大切にしよう」なんて気持ちはこれっぽっちも湧いてこなかった。 果たしてそれでいいのだろうか・・・

というようなツマラナイことを考えながらバイクのところへ戻ると、隣に停めてあったバイクのオーナーが居た。 ”どちらからですか?”と尋ねると、「以前に会ったことがありますよね?」と聞き返された。 ”へっ?”っと思ってよくよく見ると、南九州ツーリングで、初日のキャンプ場で一緒になった青年だった。 あの時は名古屋を出て2週間目で、これから更に南へと行くつもりと話していたのだが、まさかこんなところで再会するとは!! あービックリ。
あれから沖縄まで行って、今度は日本海側を北上しているらしい。 今日は富山から南下してきて、高山へ抜けるのだという。 それじゃ一緒に行こうという事に。
だが、ここから歯車が大きく狂い始めることになろうとは、まだ知る由もなかった。