特集:400VNのサスペンション強化


序文

このページでは、400VNのサスペンション強化についてまとめてみた。

サスペンション強化の必要性

400VNのサスペンション

400VNのサスペンションは、フロントフォークがΦ41正立タイプ(ダンパーロッド式)、リヤがデルタプロリンクにド・カルボン式窒素ガス封入ショックユニット(いわゆるエマルジョン式)である。 基本設計は'87の600VHから変わっていない。 特にフロントフォークは、正立でもカートリッジ式が主流の現在からすると、古さは隠せない。

ノーマルの不満なところ

自分自身が感じる不満でいうと

  1. 大きな半径のコーナーを旋回する時に、フラフラして一定のバンク角を保てない
  2. 路面に縦溝が切ってある所で、タイヤがモゾモゾ動いて恐怖感がある
  3. 高速(ぬうわkm/h)での安定性
  4. ブレーキング時の車体姿勢の安定性(主にフロント)
  5. ダートでのリヤタイヤの接地性
  6. リヤサスのプリロード調整が簡単にできない

要するにダンピングが足りないので、フワフワして踏ん張りが利かない感じだ。 フロントについてはスプリングが弱いように思った。

高性能なサスペンションは何が違う?

高価なダンパーと安いダンパーの性能面での違いは何か? 雑誌の記事の受け売りになるが、一つは摺動抵抗(フリクション)が少ないこと。 もう一つは、タイムラグなしに”動き始めから”減衰力が発生することだという。

自由長(ストローク)の違い

フロント・フォークを他の本格オフロード車の物と交換すると、必然的にフォークの自由長とストロークが伸びることになる。 そのままでは前上がりでキャスター角が寝た状態となってしまう。 これを解消するためには、

  1. ストロークを短くする
  2. フロントタイヤを小径化する(19inchホイール)
  3. リヤタイヤを大径化する(18inchホイール)
  4. リヤサスペンションのストロークを上げる
などがある。

それぞれの方法にはメリット・デメリットがあり、どの方法を取るかは目的による。 一番手軽なのは1.の方法だが、適切なスプリングを入手できるかがカギとなる。 オンロード重視なら、2.の方法もメリットが大きい。

オフロードをガシガシ走りたいなら、3.および 4.の方法で最低地上高を上げるのがいいだろう。 3.の方法で18inch化すれば、MX/ED用ブロックタイヤを履くこともできる。

これまでの記事

項目 日付
FR&RRサス・スプリング交換 2000/12/23
フォークブーツ&フォークオイル交換 2002/10/6
AT純正ショック試着 2002/10/19
AT純正ショックのモディファイ 2002/11/16
スイングアーム交換 2002/12/1
フロントフォーク&ブレーキ再構築 2003/8/31
オーリンズRRショック装着 2003/10/5
FRフォーク・プリロード調整Update! 2004/8/7

フロントサスペンション強化の方法

1.スプリングの交換

トラン用のフォークスプリングは、各社から発売されている。 → アフターパーツリスト参照

2.カートリッジ・イミュレーターの装着

RACE TECH社から発売されているカートリッジ・イミュレーターは、400VNのようなダンパーロッド式のフォークをカートリッジ式フォークに近い性能にアップグレードさせるらしい。 400VN用というのは無いが、Φ41インナーチューブ用なら装着できるようだ。 難点は価格がちょっと割高な点。

3.他車種用フォークチューブへの交換(三ツ又は流用)

インナーチューブ径がΦ41で、全長やストローク、アクスルシャフトの径が合えば、他車種用を流用することもできる。 当然、スプリングのレートやセッティングも必要となり、モディファイは必須である。 ブレーキ周りも大幅変更となる。

具体的には、'96 XR250(MD30)やXR250R(ME08)の正立カートリッジタイプがΦ41である。 自由長とストロークがトランよりも長いが、スプリングが柔らかい分サグも大きくなるので、流用はそれほど難しくない。 社外品のスプリングも販売されており、セッティングの幅も広い。 販売台数が多いので、中古品の入手も容易なのも魅力である。

Φ43くらいまでなら、三ツ又の穴径をボーリングで広げることも出来る。 フォークチューブのみの交換とすることも可能。

4.三ツ又を含むフォーク全体の交換

例えば、三ツ又ごとアフリカツイン650(RD03)用のΦ43のフォークにしてしまうという手もある。 これならボルトオンで可能だし、キャリパーやホイールはそのまま流用できる。 あるいはアフリカツイン750(RD04)用を装着して、ダブルディスクにするという手もある。 ただ、それだとフォークの剛性はアップするが、作動性はノーマルと変わらない。 XR400RがΦ43正立カートリッジ式なので、これとRD03三ツ又を組み合わせるのが、ボルトオンの改造ではベストかもしれない。

650VのΦ41フォークはカートリッジ式のようだが、リーズナブルな価格で入手するのは不可能に近い。 素直に650Vを買った方が良いだろう。

RD03にモトクロッサー用の倒立フォークを装着している人もいるので、フレームがほとんど同じトランでも同様の手法を取ることは可能と思われる。 CR250R用のΦ47倒立フォークを使えれば最高だが、ステムの加工が必要となる。 CRM250ARはΦ43倒立フォークだが、トランと同じテーパーローラーベアリングが装着できるようなので、ステムの互換性があるかもしれない。 倒立化を狙うなら、この方法が最小限の加工で装着できそうだ。

リアサスペンション強化の方法

1.スプリングの交換

Hyperproから出ているスプリングを純正ショックに組み付ける。

ダンパーが弱い分、スプリングのレートを高めて、余分な動きを押さえ込もうという考えだが、それなりにコーナーや高速では安定する。 だが、ハードに林道を走る人にはお勧めできない。

2.トランザルプ用社外ショックへの交換

トランザルプ用として販売されているリアショックもいくつか販売されている。 別体式リザーバータンクやリモートプリロード調整を持たない、シンプルなタイプが多い。 その分価格も安い(5〜7万円)。 問題は国内での入手性に灘があることだろう。

3.アフリカツイン純正ショックへの交換

アフリカツインの純正ショックを、トランに流用することも可能だ。 別体式リザーバータンクを持ち、トラン純正ショックよりも造りは良い。 一部のショップではオーバーホールやモディファイも受け付けている。 オークションや中古パーツショップで探せば、1万円以下で手に入れることも可能だ。

しかし、プロリンクのレバー比の違いから、そのまま装着しただけではコシがなくて柔らかすぎる。 対策としては、クッションアームをアフリカツイン(RD03 or 04)用に交換する必要がある。 → 整備記録参照

4.アフリカツイン用社外ショックへの交換

アフリカツイン用の社外ショックは、トラン用と違って別体式リザーバータンクやリモートプリロード調整機構を装備するものが多い。 価格は高め(8〜12万円)

アフリカツイン用のショックは、国内でも取り扱っているところが多いので、入手性は悪くない。

進行状況

12, Jun, '03

リアサスについては、MHプロダクツでモディファイしたAT純正ショックを装着。 スイングアームごとRD03用に交換した。 当面はこの状態で使っていく。

フロントフォークは、Hyperproのスプリングで使ってきたが、XR250(MD30)の正立カートリッジフォークに交換する。 そのままではスプリングが弱いので、社外品のスプリングを探しているところ。 ブレーキ・キャリパーのアダプターの完成を待って、フォークの交換を行う予定。

18, Jun, '03

RACE TECH社の4.6N/mmというレートのスプリングを発注した。 本当は6N/mmくらいのスプリングが欲しい気もするが、とりあえず走ってから判断することに。 発注先はRACETECH@FLATOUT。 在庫が無く米国から取り寄せとなるので、納期は「7月末までには何とか・・・」ということだ。 19inchホイールと、どちらが先に出来上がるかな?

26, Jun, '03

アルマイト処理をしてもらうために、フォークボルトを光研電化(有)に発送。 本当は新品でやってもらいたかったのだが、予算の都合上からフォークに付いていた部品を外して送った。 中古とはいえそこそこキレイなので、仕上がりは大丈夫だろう。 価格は1ペア\2,000、納期は一週間。 色はもちろんゴールドだ。

28, Jun, '03

光研電化(有)からフォークボルトが届いた。 早っ! 代引きで\3,150。 新品ではないので、多少の曇りはあるが、満足いく仕上がり。 あとはスプリングだけだ。

8, Jul, '03

Absoluteの掲示板で、昔の広告に出ていたXR250用フォークスプリングについて質問したら、返事があった。 「完全プログレッシブレートで、3.63〜5.20N/mm。 既に在庫は無いが、任意のバネレートで製作も可能。 店頭での相談にも乗る」とのこと。 RACE TECHが柔らかすぎるようなら、相談に行くつもり。 どのみちシム調整も必要になるだろうし。

26, Jul, '03

FLATOUTからフォークスプリングが届いた。 これでようやく交換作業に入れる。 でもその前にフォークオイルを買ってこなければ。 いままでの感覚でいけば、#15位の粘度が適当な気がするが、カートリッジ式の場合は減衰力はシム調整で行うのが本来のやり方。 とりあえず最初は#10でいくべきだろうか。

31, Aug, '03

フォーク交換が完了した。 セッティングをしていないにも関わらず、狙い通りの特性を持ったサスペンションになっている。 欲を言えば、ブレーキング時のノーズダイブが少し速いので、圧側減衰力を上げたい感じ。 次にフォークオイルを交換する時に、圧側バルブをME08用に交換しようと思っている。 フォークオイルもオーリンズにしてみようかな。

リヤサスについては、AT純正ショックを使っていくつもりだったのだが、オークションに中古のAT用オーリンズが出品されていたので、頑張って落札した。 やはり魅力はプリロード調整が容易な点。 MHモディファイドAT純正ショックとの性能比較も興味深い。

2, Aug, '03

オーリンズRRショック到着。 状態は悪くない。 日程は未定だが、トラミまでには装着したいと考えている。

9, Aug, '04

FRフォークのME08(輸出仕様)化に必要な部品。

部品番号 部品名称 個数 単価 小計
51430-KCE-671 シリンダー COMP 2 \6,800 \13,600
51440-KCE-721 ピストンロッド COMP. 2 \1,500 \3,000
51441-KCE-721 センターボルト COMP. 2 \3,500 \7,000
51432-KCE-721 オイルロックピース 2 \820 \1,640
51415-KX1-671 フォークパイプスリーブ 2 \410 \820
51437-KT1-671 ピストンリング 2 \175 \350
51424-KZ1-671 フォークパイプブッシュ 2 \490 \980
合計 \27,390