純正ほか
記事中の表を参照
長らく懸案だったフロントブレーキローターの大径化だが、フロントフォークの交換とセットで行うことになった。
トランのFRブレーキは、Φ276のシングルディスク。 オフロード車としては大径だが、総重量(車両重量+定員2名+荷物)を考えると、心許ない性能だ。 ほぼ同じ車両重量のアフリカツイン(650)がΦ296のシングルディスク、アフリカツイン750や650VがΦ256のダブルディスクとなっていることを考えても、メーカーでもブレーキのキャパシティ不足と考えたようだ。
一方、FRサスペンションについては、Hyperproのスプリングに交換してある程度の成果を得ていたが、最近では作動性の悪さによる衝撃吸収能力の不足を感じるようになっていた。 そこで、同じインナーチューブ径のXR250(MD30)のフォークチューブに交換できないかと考えた。
オークションで入手したMD30のフロントフォーク。 それぞれ別々に入手したもので、年式は不明。 事故で折れ曲がったR側(下)は\100だった。 自由長(アクスルシャフト穴からフォークボルト座面までの長さ)は、880mmである(400VNは840mm)。
カートリッジ式フォークチューブの分解写真。 これで全部品。 分解/組み立ては意外に簡単だった。 中でロッドが引っ掛かって抜けなかったので、折れ曲がったインナーチューブはサンダーで切断した。 インナーチューブとロッドは新品に交換。
ちなみにメインスプリングは、自由長365mm、外径Φ34.2、素線径Φ4.3の等ピッチ。 セカンドスプリングは、自由長74.5mm、外径Φ34.2、素線径Φ3.7のこちらも等ピッチだった。 t1.5の座金が2枚入っている。
幸運なことに、L/Rのフォークチューブは同仕様だった。 念のためL側のロッドも新品に交換してある。 フォークブーツも取り付けて組み立て完了。 フォークオイルはまだ入れていない。 最終的にはシム調整が必要となるだろう。
MD30のフォークスプリングは、全長が441mm、レートが 3.58-4.4N/mm (2段スプリング)となっている。 車重の重い400VNにとって柔らか過ぎるのは明白なので、RACE TECH社の全長444mm、レート 4.6N/mmのスプリング(FRSP 344446)を発注した。 ただ、これでも柔らかすぎるかも。 シングルレートなので、セッティングが出しやすいのは確か。
RACE TECH社からは、全長425mm、レート 8N/mmというスプリング(FRSP S344380)も出ているが、これでは硬すぎる。 BMWのF650GSが6N/mmらしいので、そのくらいの硬さが丁度いいのだが。
RACE TECH(上)とMD30ノーマル(下)の比較。
BRAKINGのブレーキローター(H023F)は、ライコランド埼玉店にて購入。 メーカー欠品で1ヶ月半待たされた。 写真の日付からも分かるように、ずいぶん前に買ってあったのだが、キャリパーをどうするかで迷っていたので、ずっと押入れの奥で眠っていた。 輝きが鈍いのは防錆オイルの為。
ローター径はΦ296と、400VNのノーマルローター(φ276)より大きい。 より大径(φ316)のH026Fという製品もあるので、スーパーモタード風を狙うならこちらの方がよいだろう。
キャリパーは、ホンダ車(ドゥービル?)純正品だという、貰い物のbrembo 2pod。 ピストンはΦ32.5+Φ30。 本当は対向4podを使いたかったのだが、今回は見送り。 パッドも含めて未使用品だが、雨ざらしだったらしくパッドには錆が浮いていた。 一応オーバーホールして使用。
bremboのキャリパーは、400VNのノーマルキャリパー(Φ27×2)に比べてピストン面積が大きいので、ブレーキマスターも交換する。 選んだのはNISSINのセミラジアルΦ17。 VTR1000SP2やCBR954RRに純正採用されているブレーキマスター(こちらはΦ19)と同タイプ。 一般的な横置きタイプではΦ14に相当する。 ライコランド埼玉店にて購入。 ミラーの取り付け穴が無いので、デイトナのミラーホルダー(36206)も購入。 ナックルガードは・・・ 後で考えよう。
キャリパーサポートの製作は、京都の桜井工機(株)に依頼した。 材質はA2017ジュラルミン。 納期は3〜4週間とのことだったが、10日間で送られてきた。 価格はブラックアルマイト処理と送料、消費税込みで\14,017。 設計は自分で行った。
フォークの自由長が長くなるので、ブレーキホースも1,100mm→1,200mmへ長くする。 bremboのホース口はM10xP1.0であり、穴の深さも浅いので、専用のバンジョーボルトを用意する。
フォークボルトは今回も光研電化(有)に依頼してゴールドアルマイト処理をしてもらった。 光り物好きなもので。 (^^;
フォークオイルについては色々と考えたのだが、まずはスプリングのレートを決めるのが先決だ。 どうせ何度かトライ&エラーを繰り返すので、#10で一番安かったヤマハの純正オイルを購入した。
油面高さについてもデータがないので、とりあえず片側500cc入れてみた。 ホームセンターへ行ってメスシリンダーを探したのだが、大きい物が無かったので、台所用品コーナーで600ccまで計れる計量カップを購入した。
フォークスプリングの外側を研磨するとフリクションが減ると聞いたので、バフと青棒でやってみたが全然ダメ。 結局、目の細かい耐水ペーパーでうっすらとスジが光るまで磨いた。
いよいよフォークチューブも完成。 あとは装着するのみである。
あくる日、いよいよ交換作業に入る。 まずはタイヤを外し、ブレーキをレバーごとフォークチューブを取り外す。
MD30(左)と400VN(右)のフォークチューブ。 約60mm長さが違う。 400VNのアクスルシャフトは、MD30のフォークに何の問題もなく装着できた。
本当に装着できるのか、まずは仮組み。 ブレーキローターはまだ換えていない。 致命的な問題があれば、復元しなければならない。 ちょっとドキドキしたが、あっけないほどすんなりと装着できた。
スピードメーターギヤボックスもOK。 メーターケーブルの長さも、フォークを完全に伸ばした状態で十分間に合った。
19inchホイールのセンターのズレは、フォークを交換しても同じ傾向だ。 近々センター出しをしてもらいに行く予定。
BRAKINGのローターと純正ローターを重ねてみた。 重量は純正が1,100g、BRAKINGが1,300gだった。 純正は削れているので、新品ならもう少し重いはず。
ローターを交換し、キャリパーを装着。 さすが「OEでもbrembo」(笑)。 華がある。
フェンダーは、アチェルビスのダウンフェンダーを買ってあったのだが、オフ用なので幅が狭くタイヤが擦ってしまう。 よって引き続き純正を使うことに。 当然ながら取り付けボスなどないので、暫定対応でフェンダーに穴を開けてインシュロックで固定した。 MD30用のケーブルクランプは、フェンダー装着に邪魔なので外してしまった。
恒久対応としては、フェンダーブレーズをワンオフで製作して、そこにフェンダーを取り付けたいと考えている。 だが、この状態で高速を走ってもバタつきなどは全くないので、このままになってしまうかも。
ラジアルマスターに比べれば、レバー基部の出っ張りが少なく、ハンドルロック時でもカウルに当たることはない。 レバー形状も思ったより操作し易い。
ブレーキマスターはレプリカ用なので、ネイキッドに使うとカップが傾いてしまう。 これは後日デイトナから発売されている「OPTIONアルミタンクステー」(ブラック、品番46853)に交換した。
ナックルガードは以前にAT用に交換していたが、当然すんなりとは装着できない。 いっそアチェルビスのラリーブッシュガードにするという手もあるのだが、すり抜けに気を使いそうだし、ゴツくてあまり好みではない。
暫定処置としてインシュロックで縛っていたのだが、ピボットシャフトさえなんとかすれば取付出来そうだった。 後日、AT用のハンドルレバーボルト(90114-MN9-006)を買ってきて交換した。
とりあえず完成である。 最初から付いていたかのように違和感がないとは言い過ぎ!?
作業終了後、スタンドを上げて跨ってみた。 まず1G状態のチェック。 車体姿勢は21inchホイール装着時に近い。 サグも適正だ。 ハンドルを押さえつけてフォークをストロークさせてみたが、ダンピングも適度に利いているしこれならなんとか走りそう。 通勤車両なので、とりあえず走ってくれないと困るのだ(だったらこんな改造するなって)。
最初は恐る恐る、近所を走り廻って動作確認。 だがこちらの不安をよそに、全く自然に走っている。 なんだか狐につままれたような感じだ。
大丈夫そうなので、ブレーキフルードを買いに入間のドラスタまで行くことにした。
いつもの通勤順路なのだが、なんだかとても乗り心地がいい。 ハンドルに伝わる振動がソフトで、新しい舗装の上を走っているみたいだ。 かといってフワフワしている訳ではなく、ダンピングはしっかり効いている。 作動性が良く、動き出しからしっかりダンピングが効いているのだろう。 ブレーキング時の踏ん張りもOK。
もう一つ感じたのは、フォークの剛性感。 普通に走っていても”しっかり感”があるし、ブレーキング時の安心感も高い。 フォークブレーズは装着していないが、元々XR250にもフォークブレーズはない。 250cc用ということでちょっと心配していたのだが、大ジャンプでも飛ばない限りは大丈夫だろう。
あまりの好結果に気をよくして、R299で正丸トンネルまでテストランに行くことにした。
ブレーキは、19inch化でかなり効くようになっていたので、ローターが大きくなってコントロールし辛くなったら困るなと思っていた。 ドゥービル用のキャリパーはパッドの特性が穏やかなようで、結果として唐突なところがなく使いやすいブレーキとなっていた。 絶対的な制動力についてはまだ確認していないが、普通に走っていて痛痒を感じることはない。
ローター径拡大により、ジャイロ効果が大きくなっているはずだが、ほとんどネガは感じなかった。 21inchホイールに近いキャスター角に戻ったため、コーナーで内に切れ込むような動きが無い。 これならノーマルから乗り換えても違和感はないだろう。
コーナーで狙ったラインに乗せるのが容易だし、ライン取りの自由度も大きい。 路面に溝が切ってある区間でも、サスが余計な動きをしないので、安心して乗っていられた。
正直言って、セッティングには相当に苦労すると覚悟していた。 だからポン付けでここまで走るとは予想外だった。 「こうありたい」と考えていた、まさにその通りのハンドリング/ブレーキ特性になっている。 もちろん、まだダートでの走破性など未確認なところもあるが、これまでの印象では大きく破綻することはないだろうと考えている。
400VのノーマルフォークとMD30のフォークを比べると、竹槍と火縄銃くらいの違いを感じた。 XR250とCRF450の倒立フォークを比べれば、火縄銃とAK-47くらいの差があるのかもしれないが、自分にとっては十分である。
これでとりあえずサスペンションはひと段落かな。 と思っていたらこんなモノが。
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